書店員Nの命削ってオススメします! 第9回
『ヒャッコ』編
つかさがやばい。
なんだ、ばるさみこす~って。なんだ、よっこいしょういちって。おまえの頭は虫がわいてるのか。自由人すぎるのもたいがいにしろつかさ。
お、おれはホントはかがみん派なんだぞ。ツインテールのツンデレが好きな、せ、正統派なんだぞ。天然ほのぼの系なんて眼中にも無かったんだからな!To○eartのあ○りに似てるなぐらいしか感想なんて無かったんだからなッ!
それをなんだよ……おかしいよ……。
「どうやって混ぜるんですか?」「ううん聞いただけー」ってどんだけ超越者なんだよおまえ!!
ああもう終わった。つかさのせいでオレの人生終わった。
一生頭の中で「こなちゃんはァ?」ってリフレインが繰り返されるだけの、敗残者人生を送るんだ。
もうかがみんにも顔向けできねえよ。
……ごめんなかがみん。オレここまでだったよ。ツンデレ以外には目もくれないという生涯
もう少しで、真のツンデレ好きだけが到達できるという、夢のツンデレワールドに入ることができたのに……。
ってそんなワールドねえよ!!
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さて、自分突っ込みがバシンと決まったところで、そんな『らき☆すた』大好きっ子にもオススメしたい女子高生ダラダラジャンルの新生が、今回紹介する『ヒャッコ』です。
実はこの作品、単行本が出るまでまったくノーマークでした。
たまたま、ホントにたまたまシュリンクしようと手に取ってパラパラとながめていたら……これがドはまり!
基幹となるお話は特にありません。
最近は萌え系漫画のメインストリームともいえるほど数が多い、女の子集団まったり日常ライフ系ですが、それだけにこの手のジャンルはキャラクター造形と、会話センスの有無が面白さを大きく左右します。
だいたいがトラブルメーカー系(智ちゃんとか美羽のタイプ)の虎子が起こす、突拍子も無い行動や非常識な言動が物語の着火点になり、まわりがそれに巻き込まれていくパターンなんですが、この虎子の造詣が実にいい。
暴走系のキャラは物語の狂言回しとしては重要でも、感情移入しづらい読み手にとって愛着のもてないキャラクターになってしまうことが、往々にして起こります。
虎子の場合確かに暴走系は暴走系なんですが、意外とテレ屋だったり常識人だったりで、時々見せる困惑や恥じらいの表情が、いつもがああなだけに直球ストレートで胸にキュンときます(実はそんなに好きじゃなかった美羽がマジ泣きした時、同様の胸キュンを感じました)。
他の三人にしても、お金持ちでツンツンお嬢な龍姫や、いじめてオーラ全開の永遠の被害者役歩巳、無口怪力大食漢の貧乳娘雀と、定番のキャラ設定ながら不思議な奥行きとリアリティを感じさせる人物像がそろっています。
なんというか空気感が自然というか、出てくるキャラクターが全員ある種強烈なのに、鼻につかずさわやかで、でも一方でクセになる、梅酢で漬けたみょうがみたいな味わいというか……(自分で言っててワケがわからなくなってきた)。
とりあえずその手のまったり日常系が好きな方は、ぜひ一度読んで下さい。
なにせ創刊7号であっというまにリアル雑誌が無くなってしまったフレックスコミックスなので、早くプッシュしておかないと2巻が出ないままコミック市場から撤退とかになりかねないので……。

- タイトル
- ヒャッコ 1巻
- 著者
- カトウハルアキ
- 発売日
- 2007-05-10
- 価格
- ¥588(税込)











