書店員Nの命削ってオススメします! 『ラノベ神殿!』SP(3)
たまにはラノベも命削ってオススメします! 第3回『イラストの選び方』
今回はいつもと違って、ちょっとだけラノベ神殿フェアの裏話を。
といってもたいした話じゃありません。
ラノベ神殿で使用したブロマイド絵柄は、ほとんど私の方で選ばせて頂いたんですが*1、なぜMF文庫J編の『ゼロの使い魔』が1巻の表紙絵なのかというお話です。
『ゼロの使い魔』の絵柄を選ぶ段階になって1巻から最新刊まで(外伝のタバサの冒険も含めて)並べてみた時に、なんとなく違和感を感じました。
改めて一つずつ眺めていると、1巻の表紙だけが少し異質な印象を受けたんです。
なんというか、ルイズがお、大人っぽい……!
イラストを手がける兎塚エイジさんは、水彩をぼかした感じの色味が特徴的な方ですが、この頃はさすがにまだ試行錯誤の時期だったのでしょうか。
リアルさとデフォルメの秤がまだリアル寄りというか、1巻と13巻を並べてもらうとわかると思いますが、陰影の描き込みが複雑で全体のトーンも大分抑え目です。
で、この時ふと思いを馳せてしまったんですな。まだ才人と出会う前のルイズを。
「ゼロのルイズ」「ゼロのルイズ」とバカにされて鬱屈しながらも、高いプライドをもてあまして毎日を過ごしていた頃のルイズを。
才人を想うあまり、色情狂のヤンデレみたいなわけのわからない状況に陥りつつある最近のルイズに比べて、この1巻表紙のルイズの何と気高く凛としていることか。
1巻から3巻までの表紙で描かれたルイズは、どれも毅然と一人で世界と相対している者の顔です。
そしてアンリエッタやキュルケが表紙を飾った4巻、5巻を経て、再びルイズが表紙に登場した時、ルイズの顔は傍らに安心する誰かがいる時の、無防備で無邪気な顔になっていました。
たぶんルイズは幸せになったんです。幸せになって、普通の女の子になったんです。
それはとても喜ばしいことで、ルイズの物語としては祝福すべき、とてもとても素敵なことなのでしょう。
ただ、それを全部わかった上で、それでも1巻の表紙の、自分を取り囲む全ての敵(親、教師、同級生、自分自身の無知と幼さ)と戦いながら、孤独と寂しさを意志の力で押し隠そうと不敵に笑うルイズに、どうしようもなく惹かれてしまったのです。
そんなわけで今回のイラストは、誠に勝手ながら1巻の表紙絵とさせて頂きました。
ぜひともラノベ神殿でブロマイドをもらう時は、担当者が勝手な妄想を膨らませて悶々としながら選んだことを、心の片隅で舌打ちしつつ思い出して頂けると幸いです。
- 実際は毎回そうとは限りません。状況次第ではありますが、今回は種類数が多かったこともあって版元さんの好意で選ぶことができました [↩]











