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このページは2008年09月18日に更新されました

書店員Nのほのぼのコラム第8回「漫画狂の詩―ささめきこと―」

ささめきこと (2) 140x200px 5KB
タイトル
ささめきこと (2)
著者
いけだたかし
発行
メディアファクトリー
発売日
2008-04-23
価格
¥ 500(税込)


ささめきこと (1) 140x200px 6KB
タイトル
ささめきこと (1)
著者
いけだ たかし
発行
メディアファクトリー
発売日
2007-12-22
価格
¥ 500(税込)


最初は風間汐がバカみたいだった。

女の子が好きで、自分も女の子で、そのことを隠しもせずテレもせず。

わたしはかわいい女の子が好きなの、なんて、一番身近な友達の気持ちにも気付かないで言い切る、傲慢で、イヤな女。

主人公のすみちゃんの気持ちは、第1話の1ページ目からはっきりしていて、まっすぐで、ずっとぶれてない。

男前で、頭が良くて、空手も黒帯で、いつもメガネ越しに怜悧な視線を投げかける、村雨純夏。でも、そんなすみちゃんは風間汐にメロメロだ。もうそれはもう、コッケイなほどに。

女装少年の朱宮君に告白されても、同級生の蒼井さんに泣きつかれても、すみちゃんは立ち止まらない。自分の気持ちに疑問を抱く瞬間すら、ない。

いつだってどこまでだって風間ラビンユーそれのみなのだ。

だからときどき、風間汐にいらいらする。

気付いてるのか気付いてないのか。全然気がないようなふりをして、突然ふいうちで相手が混乱するようなマネをする。

すみちゃんのファーストキスの練習してあげる、なんてさらっと言ってのける。

理解できない、不思議な生き物としての女。巨乳で料理上手でさわるとふかふかしてそうな、女を煮染めて固めたような女らしい女。

だから、いらいらする。

そんな風間が、2巻になって変わってくる。

あいかわらず巨乳で料理上手でさわるとふにふにしてそうだけど、すみちゃんのゴーゴーラブラブな気持ちには気付いてないけど、風間は確かに変わっていく。

階段で蒼井さんを押し倒してるすみちゃんを見て、思わず泣いてしまった風間。

家の二階の窓から聞こえてくる、すみちゃんと蒼井さんの声を聞きながら、黙って帰っていった風間。

田舎に帰ったすみちゃんからの電話を、やきもきしながら待ちつづける風間。

そこには惚れられた側が見せる、強者としての余裕は、もうない。

そして風間は、すみちゃんの想いに気付かないのと同時に、自分の気持ちにも気付いていない。

1巻の表紙で、すみちゃんは手前に大きく描かれ、風間はそのはるか奥で小さく手を振っていた。

2巻の表紙で、二人の間は相変わらず距離があるけども、風間もすみちゃんも同じ大きさで描かれていた。

3巻の表紙はどうなるのだろう。風間が大きく描かれるのだろうか。

それともどちらかがいなくなるのだろうか。

それとも、誰もいなくなってしまうのだろうか。

女の子と女の子の複雑で微妙な恋愛劇は、予測不能で結末は見えない。

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