書店員Nのほのぼのコラム第8回「漫画狂の詩―ささめきこと―」

- タイトル
- ささめきこと (2)
- 著者
- いけだたかし
- 発行
- メディアファクトリー
- 発売日
- 2008-04-23
- 価格
- ¥ 500(税込)

- タイトル
- ささめきこと (1)
- 著者
- いけだ たかし
- 発行
- メディアファクトリー
- 発売日
- 2007-12-22
- 価格
- ¥ 500(税込)
最初は風間汐がバカみたいだった。
女の子が好きで、自分も女の子で、そのことを隠しもせずテレもせず。
わたしはかわいい女の子が好きなの、なんて、一番身近な友達の気持ちにも気付かないで言い切る、傲慢で、イヤな女。
主人公のすみちゃんの気持ちは、第1話の1ページ目からはっきりしていて、まっすぐで、ずっとぶれてない。
男前で、頭が良くて、空手も黒帯で、いつもメガネ越しに怜悧な視線を投げかける、村雨純夏。でも、そんなすみちゃんは風間汐にメロメロだ。もうそれはもう、コッケイなほどに。
女装少年の朱宮君に告白されても、同級生の蒼井さんに泣きつかれても、すみちゃんは立ち止まらない。自分の気持ちに疑問を抱く瞬間すら、ない。
いつだってどこまでだって風間ラビンユーそれのみなのだ。
だからときどき、風間汐にいらいらする。
気付いてるのか気付いてないのか。全然気がないようなふりをして、突然ふいうちで相手が混乱するようなマネをする。
すみちゃんのファーストキスの練習してあげる、なんてさらっと言ってのける。
理解できない、不思議な生き物としての女。巨乳で料理上手でさわるとふかふかしてそうな、女を煮染めて固めたような女らしい女。
だから、いらいらする。
そんな風間が、2巻になって変わってくる。
あいかわらず巨乳で料理上手でさわるとふにふにしてそうだけど、すみちゃんのゴーゴーラブラブな気持ちには気付いてないけど、風間は確かに変わっていく。
階段で蒼井さんを押し倒してるすみちゃんを見て、思わず泣いてしまった風間。
家の二階の窓から聞こえてくる、すみちゃんと蒼井さんの声を聞きながら、黙って帰っていった風間。
田舎に帰ったすみちゃんからの電話を、やきもきしながら待ちつづける風間。
そこには惚れられた側が見せる、強者としての余裕は、もうない。
そして風間は、すみちゃんの想いに気付かないのと同時に、自分の気持ちにも気付いていない。
1巻の表紙で、すみちゃんは手前に大きく描かれ、風間はそのはるか奥で小さく手を振っていた。
2巻の表紙で、二人の間は相変わらず距離があるけども、風間もすみちゃんも同じ大きさで描かれていた。
3巻の表紙はどうなるのだろう。風間が大きく描かれるのだろうか。
それともどちらかがいなくなるのだろうか。
それとも、誰もいなくなってしまうのだろうか。
女の子と女の子の複雑で微妙な恋愛劇は、予測不能で結末は見えない。











